長財布の作成 その3

By taka_ume - 2月 04, 2024

 1月はあまり出かけずに大人しくしてようと決め、黙々とレザクラにいそしんでいました。

今回は、長財布の本番の作成です。このために去年Phoenixさんでブリーナと言う革を購入、黄色を1mm厚に青色(エメラルドグリーンが近いかな)はそのまま2.4mm厚で使用しました。芯通しのタイプで、手触りがしっとりとした感じが、私の好みにピッタリで半年ほど前からこの革で作るぞーと決めていました。革の詳細はPhoenixさんのホームページでご確認ください。

Phoenixホームページ:こちら

過去2回の試作品を試用してみて、色々使い勝手を確認していましたが、さいごにカード入れのデザイン変更とレシートを入れる部分を追加することにしました。最近公表されたレザクラCADにJwcadのデータを見ながら入力し直した後、修正を行っております。

カードを取り出す際に指でカードを挟めるよう少しえぐりました。あと、試作品ではレシートをお札入れの場所に一緒に入れていたのですが、やはり別に入れる場所があったほうがいいなと思い追加です。全体の厚みが増しますが、利便性を取ります。
しかし、このCADのお陰で特に目打ちの指定が楽ちんになりました。等間隔と自動間隔調整の二種類で目打ち位置が指定でき、私はできる限り等間隔で打って、10個未満を自動で打って4つの菱目で楽に打てるようにしています。さすがに、4mmの倍数でサイズを全部決められないので。



スーパーファイン用紙の0.3mmに印刷して直切り出します。数があって、けっこう大変でした。
まず、革のどこから切り出すか決めるために、並べてみます。一応、足りないという事態にはなりませんでした。



粗裁ちをします。

床面をトコプロで磨きます。もちろん粗裁ちしたのは少し伸びるのを想定してです。

型紙どおりけがきます。

で、革包丁でカット。今回曲線カットのため斜刀を購入。なれないですがなんとかカットできました。

ファスナーをつけるR部分はポンチで抜いてから、


直線を革包丁でカットします。



全部、切り出しました。結構な枚数ですね。次はこれらを貼り付けて縫っていきます。

穴あけ、型紙を重ねてハンドプレスでプスプス開けていきます。

フチ捻を入れます。準備が間に合わなかったんで、熱は加えていません。

ま、なんとか捻は見えますね。よかった。

へり落としでへりを削ります。1mmの革でもシュルシュルと削れていきます。

上からだとこんな感じでヘリを落としています。

トコプロでコバを磨いていきます。たくさんあるので必要な分を忘れずに気をつけました。

ファスナーはちょっと贅沢にYKKのエクセラです。必要な長さにカットして不要な歯をむしとり、エンドの金具を取り付けます。

取付状態を貼り付け前に確認して…、大丈夫のようですね。

今回は両面テープで貼り付けます。ちなみに縫う位置より下にしています。そうしないと、針がべとつくので。ただこのやり方だと、ファスナーと革は糸のみで強度を保つことになるので、もしかすると交換時期が早いかもしれません。

裏面に貼り付けます。

ぐるりと縫います。


抜い終わりました。裏表の抜い後はこんな感じです。

で、マチを付ける前に内ポケットを忘れずに貼り付けます。

どちらも事前に穴を開けているので、針を使って位置合わせをします。

張り付きました。

縫い合わせて完成。

裏はこんな感じ。

で、小銭入れ用のマチを貼り付けて、

反対側も貼り付けて、

底も貼り付けます。

ハンマーで圧着して、

小銭入れが完成。実は、このとき試作2つ目から小銭入れマチの形を変えていたのですが、後で今ひとつであることがわかり付け替える事になりました。(それはも少しあとに出てきます)

小銭入れの深さを浅くして使いやすくするため、底から10mmほど上を縫います。

レシート入れを貼付けます。(む、見にくい)

で、ポケットをつけます。これでこの面は完成。

反対側に札入れ用のマチを貼り付けます。

縫い上げて完成。

裏面はこんな感じ。やっとこさ、小銭入れとレシート入れ部が出来上がりました。ここで冬休みが終わったので作業は1週間後に持ち越しになりました。その間、出来上がったこの部分をみてニヤニヤしていたのですが、ふとあることに気が付きました。それはマチを長方形で作成していたのですが、小銭入れを開いたときにマチ付近の底の部分が狭いなあと感じたのです。マチの底も30mmほどあったのですが、完全にデッドスペースになっていました。これはいかんと、デザインを見直しました。扇状になっている理由に初めて気づきました。

小銭入れ部のマチを再設計です。切り出して穴を開けます。

縫い付けや貼付けを剥がします。

レシート入れまで剥がすことになりました。(とほほ…)

貼り付け直しました。革を吊り下げた跡がある部分を使って、ちょっとしたアクセントにしています。

さて次はカード入れ部の作成です。カード入れの底部分を荒らしておきます。

上部からの位置に注意して貼り付けます。ほんとは両面テープが楽なんですが、縫ったときのベタベタが嫌なので、ボンドで貼り付けます。今回は水性のりECOH-P208を使っています。

縫い終わりました。

2枚目、

3枚目まで貼り付けました。

ここで、仕切りのため中心に線を引きます。

穴を開けます。このときコバにかからないように注意します。

縫い終わりました。

裏面はこんな感じで、横の縫い目にはかからないようにしています。

ポケットを取り付けて、こちらのパーツは完成。

もう一つも同じように進めます。

穴位置を針であわせて貼り付けます。

こっちは札入れの部分に使うのでポケットは無しで、これで完成です。

アウターにカード入れをつけていきます。こちらも針で位置合わせ。

貼り付きました。外装以外のパーツは2mmほど大きくしており、貼り付けてからアウターに合わせてカットしてコバをあわせます。

切り落としました。

では、反対面も同様に進めます。


反対面も貼り付きました。このあと、小銭入れ部を貼り付けるので、カットはその後にします。

小銭入れ部を針で位置合わせして貼り付けます。

なんとか貼り付いたようです。こっちはマチが多い方です。

反対側はこんな感じ。

縫っていきます。マチが邪魔して縫いにくいです。この2針後からは全体を縫い合わせることになります。これでこのマチ部分の一体感が出やすくなります。(たしか、Jill Craftさんのブログにそんな事が書かれていたのを思い出し、見様見真似でやってみました)

時間がかかりましたが、周囲縫い終わりました。

表面はこんな感じです。

余分を切り落とします。底はサクッと切り落とせました。

この部分も、なんとかなりました。この反対面はマチが2つもあるのでかなり難しかったです。最後、豆かんなで仕上げました。

角をR5で丸めておきます。コバを磨いて完成です。芯通しの革なのでコバは色を付けずそのままの風合いを楽しめます。

やっと完成。ほしい財布が打っていないなら作ってしまえと考えてから約1年。自分がほしい財布が出来上がり感無量です。しかも手触りが最高です。

中身はこんな感じです。小銭入れ側のカード部は札入れの中に押し込めたので見た目シンプルに見えます。

札入れはこんな感じでカード入れと同居です。

小銭入れはポケット付きです。

理想の財布ができあったのですが、後2点改良したいところがあります。一つは黄色の革の厚み。1mmでも分厚いなという印象です。0.8mmできれは0.6mmくらいにしたいところです。今回の財布は厚み10mmほどあります。(一応部分漉きはしていますが、さほど厚み軽減に起用していないです)
2つ目は、小銭入れに豚革を貼り付けたほうが良かったなと。コインは入れると汚れるのでそれを防止するためです。今回は豚革で作ったインナーを後で入れる方式にしました。ので、若干使いづらいですがやむを得ずです。

とはいえ、自分としてはほぼ100点満点の出来でした。















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