CMOSカメラを冷やしてみよう その2

By taka_ume - 5月 17, 2020

CMOSカメラを冷やすのにシステムも必要なんですが、その前にカメラとどうやって接続しようかと悩んでいました。まあ、あまり悩みすぎても仕方ないので作ってしまえとこんな感じでやってみました。

まずは、カメラに取り付けるベースプレートを棚の奥にあった透明アクリルで準備しました。四角にくりぬくのに、ルーターで削りました。


むむっ、透明なものは写りにくいですね。で、カメラに取り付けます。


アルミ板にしようかと思ったんですが、真ん中をくりぬけるか不安だったのでとりあえずアクリル板にしました。


こんな風に中央にペルチェ素子がはまります。とりあえず、組んだらこんな感じです。熱的に結合しないようにプレートとヒートシンクはアクリルビスで止めています。



さて次はプレートに念のため断熱材代わりのコルクを貼ります。



USBコネクタを指すところは貼らずにおいておきます。
さらに、カメラ本体も断熱材のようなもので覆います。今回はフロアマットを100均で勝て着て加工します。



あまり意味ないかもしれませんが、窓に貼る結露をとるシートも入れておきます。


コネクタ部分はこんな感じです。

さて、ペルチェ素子と合体させる前にソフトを完成させないといけません。実は先日実験してたらバグのせいでペルチェ素子がONしたままになり、電源として使っていたポータブルバッテリを壊してしまいました… 最終的には何らかの電流制限をかけないとダメそうです。まあ、それは後にするとして、作業を続けます。

温度検出にはサーミスタを使います。温度で抵抗値が変化するやつです。

1/T=1/B*ln(R/R0)+1/T0
(B:B定数)

こんな式で、抵抗値から温度に変換できるのですが、このままだと上手く計算してくれなかったので、Maximaという数式を扱えるソフトで次のように変換して使いました。

T=B*T0/(T0*ln(R/R0)+B)
次はPID制御です。私自身比例制御はよくやっていたのですが、PID制御まではやってなかったので、Google先生に聞いてマイコンで扱える形式のPID制御式をゲット。

pertie1.duty = pertie1.duty_old + pertie1.Kp * (pertie1.en - pertie1.en1)
                    + pertie1.Ki * pertie1.en
                    + pertie1.Kd *((pertie1.en - pertie1.en1)-(pertie1.en1 - pertie1.en2));
(KP:比例定数、KI:積分定数、KD:微分定数、en en1 en2:目標温度と制御温度の差の現在値 t-1の値 t-2の値
   ,duty‗old:t-1の制御値、duty:現在の制御値)
とりあえず、適当に計算したkp=6.5 ki=0.5 kd=3.4で試してみました。



何もないと寂しいので(というか動いているかわからないので)有機ELディスプレイをつけて、温度などが見えるようにしました。もちろん、これ以上電源などを壊さないようにペルチェ素子の能力も半分以下にソフト的に制限を入れています。
温度変化の出力をUARTで吐き出してグラフ化すると…

目標値を16℃にして確認したのですが、1分ほどで目標温度になりました。もう少しチューニングは必要ですが、まずまずです。
ただ、ペルチェ素子の表面はうっすらと結露が発生。非常に気になるのでもうちょっと対策が要りそうです。先ほどやまぎりさんからシート状の湿気取りが良いと教えていただいたので試してみようと思います。

一番の課題は、消費電流ですね。実験で能力を抑えたにもかかわらず、5~6Aも流れていたので制限外すとあっという間に10A流れてヒューズが切れそうです。電流制限回路を追加しないとダメですね。完成までもう少しかかりそうです。






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